単位の種類
スタイルシートのborderやfontを使用するには、罫線の太さや文字サイズの大きさを指定しなければなりません。そのときに必要な知識が「単位」です。CSSリファレンスの途中ですが、先に単位のお話をしたいと思います。
スタイルシートで使える単位は、次の通りです。
相対単位
単位 | 読み | 説明 |
---|---|---|
% | パーセント | 文字のサイズでは、emが基準。ブロックの横幅の設定では、ブラウザの横幅が基準。 |
px | ピクセル | 画面表示の最小単位を基準とした大きさ。 |
em | エム | 「M」の大きさを基準とした大きさ。 |
xm | エックス | 「x」の大きさを基準とした大きさ。 |
絶対単位
単位 | 読み | 説明 |
---|---|---|
pt | ポイント | 古くから使われている文字の単位。1/72in、0.35mm |
pc | パイカ | 古くから使われている文字の単位。12pt |
in | インチ | 25.4mm |
mm | ミリメートル | 皆様おなじみの単位 |
cm | センチメートル | 10mm |
相対単位と絶対単位
相対単位と絶対単位の違い
相対単位とは、ある単位を基準に、相対的にサイズを決める単位です。絶対単位とは、その単位で指定された大きさで固定されてしまいます。
例えば、相対単位emは、文字のサイズの単位で、Mの大きさを基準とします。ブラウザの設定で文字のサイズを大きくした場合、Mのサイズも大きくなるので、emで指定されているものは、それに合わせて大きくなります。
それに比べて、絶対単位ptで指定されていると、ブラウザの設定で文字のサイズを変更しても、表示サイズは変わりません。
使い分け
ブラウザの設定で、文字のサイズを変えられることを知っている人は、意外に少ないのですが、目が老眼の人は、ブラウザの文字サイズを大きくして表示させます。そのときに、文書の文字サイズが、絶対単位で指定されていたら、文字サイズは大きくならないので、Webサイトのお客様は、がっかりします。
そうかと言って、あらゆる文字サイズを、相対単位で指定していれば、文字が大きくなりすぎて、Webページのデザインが崩れる場合もございます。
このように、通常の文書や画像のサイズは相対単位で指定し、デザイン性を有する罫線のサイズは絶対単位で指定すれば良い、という具合になっています。
表示サイズの実験
まずは、emを使って、0.1emずつ小さくしていって、どこまで表示できるかを実験したいと思います。
● emの表示例(0.1ずつ変化させた場合)
1.5 em
1.4 em
1.3 em
1.2 em
1.1 em
1.0 em
0.9 em
0.8 em
0.7 em
0.6 em
0.5 em
0.4 em
0.3 em
0.2 em
0.1 em
どこまで、文字が崩れずに表示されるかは、画面解像度やブラウザでの文字サイズ設定によって、異なります。著者は、IE6、文字サイズ中、17インチディスプレイで、画面の解像度は1280×1024ですが、0.5emまでは、崩れずに表示されています。
次に、先ほどは0.1ずつ変化させましたが、今度は、0.01ずつ変化させたいと思います。
● emの表示例(0.01ずつ変化させた場合)
1.00 em
0.99 em
0.98 em
0.97 em
0.96 em
0.95 em
0.94 em
0.93 em
0.92 em
0.91 em
0.90 em
どうやら、1.00em~0.97emまでが同じ大きさで表示されて、0.96em~0.91emまでが同じ大きさで表示されています。IE6に限ったことかもしれませんが、このことから、最小設定単位は「0.05」のようです。emは0.05の倍数で設定すれば表示されるということです。
著者流の使い方
私が単位をどのように使っているかを、述べたいと思います。この方法がもっとも良い方法とは限りませんが、参考にして頂けたらと思います。
絶対単位は使わない
私自身、絶対単位はなるべく使わないようにしております。なぜなら、絶対単位を使わなくても、デザインを崩さないようにWebページを作ることができます。また、間違って、文書の文字をサイズ変更不能にしたくないためです。
pxを基準にする
私は、相対単位pxを基準にして、Webページを設計しています。pxは、画面表示の最小単位を基準とした大きさです。この単位で設定すると、パソコンの画面解像度の設定によって、サイズが決まってきます。画面解像度を変更することは、まずございませんので、すなわち、擬似的に絶対単位として指定できます。
サブタイトルに使う文字の単位はpx
サブタイトルは、ロゴの上に書いたりしますが、ロゴの横幅はpxで設定するので、ロゴの大きさを基準にサブタイトル全体の大きさを決めるので、サブタイトルの文字の単位はpxで設定しています。
文書に使う文字の単位は%
いつも、文字の単位は%で設定しています。emでもかまいませんが、例えば「1.2em」と書くよりも、「120%」と書いた方が、直感的に分かり良いためです。
ナビに使う文字の単位も%
ナビとは、ナビゲーションの略で、Webページの左側や上側にある、Webサイトの目次のことです。「おふとんの人」のナビは、左側にあるので、「左ナビを採用!」のように使います。
ナビに使う文字は、pxで設定したい所ですが、これも老眼の人に見やすくしたいので、相対単位%を使っています。ブラウザの設定で、文字のサイズを大きくしても、ナビの設計では、デザイン性が損なわれないような設計をしています。
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