broderの使い方
borderコマンドは、ブロック要素、インライン要素に限らず、罫線を設定するためのCSSコマンドです。四角い枠線や、アンダーライン、左の太短い縦線などを引くことができます。
borderコマンド
broderコマンドの使用方法は、下の使用例に示すように、「border」と入力した直後に、「:(コロン)」を入れて、次に
- 罫線の太さ
- 罫線のスタイル
- 罫線の色
の順序で、それぞれ半角スペースで区切って入力し、最後に「;(セミコロン)」を入れます。この順序は、入れ替えることはできません。個々の設定内容は、後ほど詳しく説明します。
● 使用例
border: 3px solid red;
● spanタグに適用した例
<span style="border: 3px solid red;">テスト</span>
テスト
この使用例では、表示結果からわかるように、太さ3pxの赤い実線で、四角の枠ができます。このように、何かを罫線で囲みたいときに、borderコマンドを使用します。
上下左右の罫線の個別設定
borderコマンドでは、枠線の上線、右線、下線、左線は、それぞれ個別に太さやスタイルを設定することはできません。下の例に示すように、個別の罫線が設定できるborderコマンドを使って、四角の枠で囲むのではなく、上線、右線など、それぞれの罫線を設定できます。
● 上線の例
border-top: 3px solid red;
上線の例の表示結果
<span style="border-top: 3px solid red;">テスト</span>
テスト
● 右線の例
border-right: 3px solid red;
● 下線の例
border-bottom: 3px solid red;
● 左線の例
border-left: 3px solid red;
これら4種類のコマンドも、「border」と同じように、罫線の太さ、スタイル、色の順に設定します。上線のみ、表示結果を示しましたが、右線、下線、左線も、それぞれ試してください。
また、これらを組み合わせることによって、4方向の罫線の太さ、スタイルなどを、自由に変えることができます。
● 罫線を組み合わせた例
<span style="border-bottom: 2px dashed red; border-left: 5px solid #3300ff;">テスト</span>
● 表示結果
テスト
以下に、設定項目を詳細に説明したいと思います。
設定項目の詳細
罫線の太さ
罫線の太さは、数字と単位を組み合わせます。単位は主に、「px」、「em」、「pt」がございます。私は、「px」をよく使います。
背景色の個別指定 >>border-width
罫線のスタイル
罫線のスタイルは、次のようなものがございます。また、下表には、罫線のスタイルと表示方法について、まとめました。
- dotted
- dashed
- solid
- double
- groove
- ridge
- inset
- outset
- none
- hidden
スタイル | 説明 | 太さ1px | 2px | 3px | 4px | 5px | 6px |
---|---|---|---|---|---|---|---|
dotted | 点線 | テスト | テスト | テスト | テスト | テスト | テスト |
dashed | 波線 | テスト | テスト | テスト | テスト | テスト | テスト |
solid | 実線 | テスト | テスト | テスト | テスト | テスト | テスト |
double | 二重線 | テスト | テスト | テスト | テスト | テスト | テスト |
groove | 境界線がくぼむ影 | テスト | テスト | テスト | テスト | テスト | テスト |
ridge | 境界線が飛び出る影 | テスト | テスト | テスト | テスト | テスト | テスト |
inset | 線内側がくぼむ影 | テスト | テスト | テスト | テスト | テスト | テスト |
outset | 線内側が飛び出る影 | テスト | テスト | テスト | テスト | テスト | テスト |
none | 線なし | テスト | テスト | テスト | テスト | テスト | テスト |
hidden | 線を隠す |
「dotted(点線)」と「dashed(波線)」は、太さが細いときは、少し似ています。太くなってくると、「dotted(点線)」は点々なのに対して、「dashed(波線)」は四角型で、コーナーがL字になっていることが、わかります。
「double(二重線)」は、太さが1pxや2pxの細いときは、「solid(実線)」と同じですが、3pxから二重線になります。1pxとは画面表示される最小ドット(点)単位のことです。3pxになることによって、ようやく、内側の線、中間のスペース、外側の線に、それぞれ1pxずつの太さを確保できるので、二重線に見えてきます。線の太さ4pxでは、インターネットエクスプローラ(IE)での表示は、内側1px、中間スペース1px、外側2pxとなるようです。
「groove(境界線がくぼむ影)」から、「outset(線内側が飛び出る影)」までは、色の異なる実線が引かれて、影ができたように見えます。罫線の色が黒だと、影と色が重なるので、見分けが付かなくなります。
「none」は、罫線を引いていない、未設定状態と同じです。「hidden」は、通常であれば「none」と同じです。
背景色の個別指定 >>border-style
罫線の色
罫線の色の入力方法は、「#fd8355」のような16進数を入力するカラーコード指定か、「red」や「blue」のような色を直接指定するカラー名指定ができます。カラーコードとカラー名を、表にまとめた「カラーコードとカラー名の関係」では、赤、緑、青、カラー名で、ソートができます。ご活用ください。
背景色の個別指定 >>border-color
罫線の個別指定
太さ、スタイル、色の個別指定
borderコマンドでは、四角の枠のそれぞれを、個別に設定できませんが、「border-top」や「border-right」を使うと、4方向の罫線それぞれに設定できると述べました。その他にも、罫線の太さやスタイルなど、それぞれの指定を、細かく個別で行うコマンドもございます。例えば
●罫線の例
border: 3px solid red;
この罫線の指定を、個別設定のコマンドで行うと
●罫線の個別設定の例
border-width: 3px;
border-style: #solid;
border-color: red;
この2つの例では、表示結果は同じになります。
●表示結果
テスト
以下に、border-widthコマンド、border-styleコマンド、border-colorコマンドの詳細な使い方を、説明したいと思います。
border-width
border-widthコマンドは、罫線の太さを一括で設定します。罫線の太さを1個~4個入れることができます。次の例に示すように、入れる個数によって、上下左右の4方向それぞれの太さを、個別に設定できます。
●罫線の太さを1個入れた場合
border-width: 4px;
この場合は、罫線の太さが、上線、右線、下線、左線の4方向とも、4pxに設定されます。
●罫線の太さを2個入れた場合
border-width: 4px 3px;
この場合は、罫線の太さが、上線と下線が4pxに、右線と左線が3pxに設定されます。
●罫線の太さを3個入れた場合
border-width: 4px 3px 2px;
この場合は、罫線の太さが、上線が4pxに、右線と左線が3pxに、下線が2pxに設定されます。
●罫線の太さを4個入れた場合
border-width: 4px 3px 2px 1px;
この場合は、罫線の太さが、上線が4pxに、右線が3pxに、下線が2pxに、左線が1pxに設定されます。また、例えば次に示すように、それぞれ4方向の線の太さを、個別のコマンドに分けることができます。
border-top-width: 4px;
border-right-width: 3px;
border-bottom-width: 2px;
border-left-width: 1px;
このようなコマンドを使って、罫線の太さを細かく設定する場面としては、「今までは、標準で、この罫線の太さを使っていたが、途中の、この部分のみ罫線の太さを変更したい。」などのときに使用します。
border-style
border-styleコマンドは、罫線のスタイルを一括で設定します。罫線のスタイルを1個~4個入れることができます。次の例に示すように、入れる個数によって、上下左右の4方向それぞれのスタイルを、個別に設定できます。
●罫線のスタイルを1個入れた場合
border-style: dotted;
この場合は、罫線のスタイルが、上線、右線、下線、左線の4方向とも、dottedに設定されます。
●罫線のスタイルを2個入れた場合
border-style: dotted dashed;
この場合は、罫線のスタイルが、上線と下線がdottedに、右線と左線がdashedに設定されます。
●罫線のスタイルを3個入れた場合
border-style: dotted dashed solid;
この場合は、罫線のスタイルが、上線がdottedに、右線と左線がdashedに、下線がsolidに設定されます。
●罫線のスタイルを4個入れた場合
border-style: dotted dashed solid double;
この場合は、罫線のスタイルが、上線がdottedに、右線がdashedに、下線がsolidに、左線がdoubleに設定されます。また、例えば次に示すように、それぞれ4方向の線のスタイルを、個別のコマンドに分けることができます。
border-top-style: dotted;
border-right-style: dashed;
border-bottom-style: solid;
border-left-style: double;
このようなコマンドを使って、罫線のスタイルを細かく設定する場面としては、「今までは、標準で、この罫線のスタイルを使っていたが、途中の、この部分のみ罫線のスタイルを変更したい。」などのときに使用します。
border-color
border-colorコマンドは、罫線の色を一括で設定します。罫線の色を1個~4個入れることができます。次の例に示すように、入れる個数によって、上下左右の4方向それぞれの色を、個別に設定できます。
●罫線の色を1個入れた場合
border-color: red;
この場合は、罫線のスタイルが、上線、右線、下線、左線の4方向とも、red(赤)に設定されます。
●罫線の色を2個入れた場合
border-color: red blue;
この場合は、罫線のスタイルが、上線と下線がred(赤)に、右線と左線がblue(青)に設定されます。
●罫線の色を3個入れた場合
border-color: red blue #ff00ff;
この場合は、罫線のスタイルが、上線がred(赤)に、右線と左線がblue(青)に、下線が#ff00ff(ピンク)に設定されます。
●罫線の色を4個入れた場合
border-color: red blue #ff00ff black;
この場合は、罫線のスタイルが、上線がred(赤)に、右線がblue(青)に、下線が#ff00ff(ピンク)に、左線がblack(黒)に設定されます。また、例えば次に示すように、それぞれ4方向の線のスタイルを、個別のコマンドに分けることができます。
border-top-color: red;
border-right-color: blue;
border-bottom-color: #ff00ff;
border-left-color: black;
このようなコマンドを使って、罫線の色を細かく設定する場面としては、「今までは、標準で、この罫線の色を使っていたが、途中の、この部分のみ罫線の色を変更したい。」などのときに使用します。
ブロック要素とインライン要素
ブロック要素とは、ブロックを形成するタグで、インライン要素とは、ブロック要素内に入るタグのことです。borderコマンドを、ブロック要素に設置するか、インライン要素に設置するかによって、表示のされ方が異なってきます。
例えば、今までの例で、spanタグにborderコマンドを適用しました。すると、「テスト」という文字に四角の枠が表示されていました。
●spanタグ(インライン要素)にborderコマンドを適用
<p><span style="border-top: 3px solid red;">テスト</span></p>
テスト
このソースを見て頂けたらわかるのですが、spanタグは、pタグに挟まれています。このspanタグはインライン要素で、pタグはブロック要素です。では、ブロック要素であるpタグに、borderコマンドを適用すると、どのように表示されるのでしょうか?
●pタグ(ブロック要素)にborderコマンドを適用
<p style="border-top: 3px solid red;">テスト</p>
テスト
このように、pタグによって形成されたブロック全体に、四角い枠線が現れました。ブロック要素を、枠線で囲むことによって、タイトルを目立たせたり、領域を分けるような罫線を入れたりして、Webページを見やすくすることができます。
hrタグの線色やスタイルを変更する
hrタグは、Webページ中に境界線を入れるタグですが、初期設定のままでは単なる黒の実線です。線の色を変えるには、このborderコマンドを使います。例えば
● hrタグの記述例
<hr style="border: 5.5px dashed green;">
● 表示結果
このように表示されます。ここで、線の太さを5.5pxとしましたが、IE6では線の太さは変わりません。FFやSafariでは、太さはきちんと変わります。IEでも太さをきちんと変えたい場合は、size属性を使います。
● hrタグにsize属性を加えた例
<hr style="border: 5.5px dashed green;"size="5.5">
● 表示結果
hrタグでの線の描かれ方は、次の例に示しますが、hrタグのsize属性は、線の色の部分の太さと言うよりも、実は、サイズ5.5pxの実線の周りを取り囲むように、styleで設定した線が描かれます。その証拠に、size属性値を30とした場合、四角の枠のような線になります。つまり、size属性は、この四角の枠のサイズを設定する属性なのです。
● size属性値を大きくした例
<hr style="border: 5.5px dashed green;"size="30">
● 表示結果
では、style属性とsize属性で線の太さが2カ所で設定されていますが、FFやSafariでは、どちらのサイズが優先されるのでしょうか?。それは、style属性です。ですので、hrタグで線の太さを変えたい場合は、style属性に設定するborderコマンドの線の太さと、size属性値を同じ値にすれば、まっすぐな線が描かれます。ただし、size属性に設定する数値の単位はpxなのですが、単位を入れてはいけないというルールになっています。
● borderコマンドでの線の太さと、size属性を同じ値にした例
<hr style="border: 30px dashed green;"size="30">
● 表示結果
「border-collapse」による罫線の境界の表示方法
表を作って、罫線を表示させた場合、表のセルとセルの間は、標準では隙間があります。下の例では、線の色がわかりやすいように、tdタグにstyle属性を入れて、罫線を赤にしてあります。4つのセルの間には、それぞれ隙間があります。
<table border="3">
<tr><td style="border-color: red;">テスト1</td><td style="border-color: red;">テスト2</td></tr>
<tr><td style="border-color: red;">テスト3</td><td style="border-color: red;">テスト4</td></tr>
</table>
テスト1 | テスト2 |
テスト3 | テスト4 |
次に、tableタグに、style属性で「border-collapse: collapse;」を追加すると、セルとセルの間の隙間がなくなります。
<table border="3" style="border-collapse: collapse;">
<tr><td style="border-color: red;">テスト1</td><td style="border-color: red;">テスト2</td></tr>
<tr><td style="border-color: red;">テスト3</td><td style="border-color: red;">テスト4</td></tr>
</table>
テスト1 | テスト2 |
テスト3 | テスト4 |
なお、上側のデフォルト(セル間に少し隙間を空ける設定)は、「border-collapse: separate;」です。
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