Webサイトの製作手順
私が推奨しているWebサイトの製作手順は、おおよそ次の通りです。
1.理念 | 事業の目的は何なのか? なぜWebサイトが必要なのか? | 事業計画 |
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2.戦略 | Webサイトで何ができるのか? Webサイトで期待する成果は何か? Webサイト製作に必要な経営資源は何か? | Webサイトの全般的な知識 経営資源(人、物、金、情報、時間、空間) アクセス目標、売上目標 |
3.コンテンツ | 成果達成のために必要なコンテンツは? | Webサイトのコンテンツと構造の決定 |
4.デザイン | 成果達成のための最適なデザインは? | 色、デザインの知識 |
5.製作 | Webサイト製作 | HTML、CSS、JavaScript、CGI、16進数、写真加工、イラスト製作 |
一般にWebサイトを初めて製作する場合は、4番が気になるところです。ところが、この中で最も重要なことは、「理念」です。理念がしっかりと決まれば、Webサイトの方向性がぶれません。理念がしっかりと決まっていなければ、数年経過したら、いったい何を売りたいWebサイトなのか、ごちゃごちゃして分からないWebサイトになってしまいます。
まずは、事業の目的をしっかりと定めて、その目的を達成するための近道として、Webサイトを活用するようにします。すると、Webサイトの目的がしっかりと定まります。
Webサイトのコンテンツと構造については、「25.Webサイトの構造とデザインを考える」に詳しくまとめています。
以下、おおざっぱにWebサイトの目的について、まとめましたので、ご覧ください。
Webサイトの目的と売り上げ
「Webサイトで布団は売れるのか?」で、Webサイトの目的をしっかりと考える必要があると述べましたが、Webサイトの目的について、考察したいと思います。
Webサイトの主な目的
Webサイトの目的は、主に次の二つになります。
- 製品やお店の紹介
- 製品のインターネット販売
目的1のWebサイトは、例えば「親松寝具店」さんです。製品のみならず、ご自身の取り組みなども、紹介されています。明らかに、お店のアピールタイプです。布団屋さんとしての、大きな役割をアピールされています。
目的2は、例えば、たまたま発見した「こだわり安眠館」さん。何とも申し上げられませんが、合理的な販売戦略で、売れるものなら何でも売る、数打てば当たるタイプです。
目的1と目的2を組み合わせたホームページもあります。
どの目的が良いか?
どの目的でWebサイトを作れば、一番売上げを伸ばすかは、いちがいに答えられませんが、目的2に重点を置いた方が、一時的に売上げを伸ばすでしょうけど、固定客を作るのは目的1で、地に足の付いた販売方法です。
P.F.ドラッカーの言葉を借りますと、「知識労働の生産性の向上を図る場合にまず問うべきは、いかに行うかではなく、何を実現しようとしているか。」です。言い換えると、「Webサイトの目的な何なのか」です。
ドラッカーの著書「プロフェッショナルの条件 -いかに成果をあげ、成長するか-」の中で、このように例えられていました。AとBの別のデパートがありました。それぞれのデパートでドラッカーは、「このデパートの成果は何ですか?」と訪ねた所、Aは「商品を売ること」、Bは「お客様へのサービス」と結論を出しました。その結果、どちらのデパートも急速に売上げを伸ばしました。
Webサイトも同様に、Webサイトで狙っている成果が何かが明確でなければ、ゴチャゴチャしたWebサイトになってしまいます。
Webサイトの目的を決める目安
企業は、売上げを伸ばすことが、大きな目的となります。この目的が達成されていなければ、厳しいことですが、社会から淘汰されていることになります。では、Webサイトの目的をどのように設定すれば、売上げを伸ばすWebサイトを作ることができるのでしょうか?
商品やサービスの質
Webサイトの目的は、主に二つあると、上で述べましたが、どちらの目的で、Webサイトを作れば良いかの、おおよその目安は、商品やサービスの質によって決まります。
- 目的1・・・製品やサービスに、新規性・独創性がある
- 目的2・・・製品やサービスに、有用性がある
ただし
- 新規性・独創性・有用性をすべて兼ね備えている場合・・・目的1と2を併用
- 新規性なし・独創性なし・有用性なし場合・・・Web販売は、お金の無駄
お金の無駄と、厳しい表現をしましたが、結局、「新規性なし・独創性なし・有用性なし」の三拍子そろった商品は、間違いなく価格競争に巻き込まれますので、お金の無駄になります。
例えば、バナナが日本に入り出した頃は、かなり高価なフルーツだったそうです。ところが、今では、新規性なし、独創性なし、有用性は「売ってなかったら、別の果物で代用OK」なので、バナナの値段は安いです。ですので、例えば「無農薬・有機栽培バナナ」などの新規性の高い製品でないと、値段は下がりっぱなしです。
地域柄
また、地域柄によって目的が変わります。例えば、ものすごい田舎なのに、お店への集客を見込んで、お店のサービスや場所をアピールしても、意味はございません。
それに対して、商品のアピールのみを考えた場合、大都市にお店を出しても、田舎にお店を出しても、どこかの閉鎖的な北の国を除いて、インターネットには国境がありませんので、商品のアピールは同じようにできます。
私の経験から申しますと
- 目的1と2・・・東京・大阪・横浜など大規模都市にあるお店。ドーナツ化現象で、済んでいる人が郊外に行ってしまった店。
- 目的2のみ・・・のどかな町、のどかな田舎のお店
もう一つ、重要な目的
インターネット販売のターゲットは、インターネットで買い物する50歳以下です。こういった世代に、製品や業界をアピールすることで、消費者の意識改革をすることです。
布団業界を例にすると、そのような50歳以下の人は、化繊の安物布団で寝てきているので、本物の布団の魅力を知りません。今後、布団職人の大きなテーマの一つは、本物の布団の魅力をアピールすることです。
2chやmixiでも代表されるように、インターネットは若い人に対して、大きな影響力を及ぼすことが知られています。インターネットを活用して、手作り布団の魅力をアピールすることは、消費者の意識改革を促すには、とても有効な手段であると思います。
普段通りの営業でしている、手作り布団と、他製品の差別化を、Webサイトで述べる程度で良いと思います。その支流が集まれば、大きな川を作り、消費者の心を動かして、常識となります。そうすると、下図のように、手作り布団へのブランド・チェンジが連鎖的に起こることになります。
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是非、Webサイトをお持ち下さい。そして、手作り布団の魅力をアピールして下さい。
まとめ
私は、新規性・有用性・独創性の「なし」が三拍子そろった商品を扱うお店に、Webコンサルタントの営業をしませんし、インターネットで商品が売れない理由を、私の責任にされたくないので、依頼があってもなるべく断るようにしています。
そして、Webサイトに求める成果、大きく言うと志を明確にしてください。社会に貢献することを志としたWebサイトは、進化しつづけ、必ず社会に受け入れられます。
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