打ち直しと仕立て直し

打ち直し

打ち直しとは

打ち直しは、弾力性がなくなった木綿わたを元に戻す綿のリサイクルです。綿の質によりますが、綿布団は3~5年程度で弾力性が失われてきて、煎餅布団になります。こういったときに、木綿わたを打ち直しに出します。

打ち直しの特徴

打ち直しをすると、綿の中のホコリやダニの死骸がほとんど除去されます。しかも、古い側地は捨てて新しい側地にて仕立てるので、新品同様の布団になります。

基本的に化繊100%使用のワタでも打ち直しは可能ですが、静電気で仕上がり具合が悪くなるばかりか、機械を傷めてしまうため、綿を60%以上使用したワタを推奨だそうです。中には、綿100%でないと、打ち直しをしてくれない業者もあります。

化繊は使用年月とともに硬くなり、打ち直してもフワッとなりにくくなります。それに比べて綿は、使用年月6,7年でも、打ち直すと新品同様にフワッとなります。中には、押入にしまってあった、30年前の布団の綿を、恐る恐る打ち直ししたら、きれいな綿になったという報告もあります。

打ち直した綿は、座布団にすることもできます。座布団を作っている布団屋さんで相談してみて下さい。

環境への取り組み

東京都の調べで、粗大ゴミの1位が布団ということは、ご存じでしょうか? 地球環境のことを考えたら、化学繊維の布団よりも、天然繊維の布団を選ばないといけません。天然繊維の中でも、リサイクルができる木綿が、もっとも環境に優しい布団と言えます。

手作り布団の店も、ただ黙って見ているだけでなく、「捨てられるふとんをなくしたい」を合い言葉に、東京都の布団屋さんが中心となって、ふとんリサイクル推進協議会のように、組織的に活動されている方もいらっしゃいます。ふとんリサイクル推進協議会Webサイトでは、打ち直しの深い意味や打ち直し行程の紹介があるばかりか、実際に木綿を栽培して、日本の伝統を守っておられます。おふとんの人でも、強く応援していきたいと考えております。

打ち直しの作業内容

打ち直し作業は、簡単に書くと次の通りです。

  1. 表地を裂いて、綿を取り出す。
  2. 綿を打ち直しの機械(製綿機など)に掛ける。
  3. 仕上がった綿と新品の生地で布団を仕立てる。
  4. 打ち直し完了!

詳しくは、ふとんリサイクル推進協議会のWebサイトで、写真動画で詳しく紹介されております。

打ち直しは、どこでしてくれるの?

布団の打ち直しは、町の布団屋さんで受け付けてもらえます。特に、安心して任せられる、全国の手作り布団の店で行うことを、推奨します。

気になる、打ち直しの値段

気になる値段ですが、打ち直しをするのと1万円前後の費用がかかります。1万円程度のシングルサイズの敷布団を打ち直すのであれば、値段があまり変わらないので、新品を購入する方が良いと思います。(読者様から、ご注意を受けたので削除))

粗大ゴミの量に関する問題から、粗大ゴミになるような布団の購入は、止めましょう。(つまり、良い布団を買いましょう。)


仕立て直し

仕立て直しとは

古くなった布団の中綿を打ち直ししたり、側地を新品に取り替えたりして、古い布団を新品同様にする、布団のリサイクルです。仕立て直しの方法は、布団の種類によって異なります。

綿布団の仕立て直し

綿布団の仕立て直し作業は、先ほど紹介した、打ち直しの作業手順そのままです。

羽毛布団の仕立て直し

羽毛布団の仕立て直し作業は

  1. 側地を裂いて、羽毛を取り出す。
  2. 機械に入れて、取り出した羽毛のダウンボールを選別し、小粒なものやゴミは除去する。
  3. 羽毛の減った分だけ、新しい羽毛を補充する。
  4. 仕上がった羽毛と新品の生地で布団を仕立てる。
  5. 仕立て直し完了!

なお、羊毛布団は仕立て直しできません。