8.座布団の表裏は?
いきなり答えですが、座布団や布団には表裏があります。更には向きもあり、どちらが前か決まっています。
では、どのようにして表裏を見分けるのでしょうか。少し考えると、座布団の中央部から出ている房(ふさ)が目安ではないかと、考えます。
しかし、こまったことに房は、正式な座布団では両面から出ています。これは、「布団屋さんのイタズラ」だと、著者は考えています。
表裏の見分け方
イタズラ好きな布団屋さんで購入した、正式な座布団の表裏の見分け方は、次のようになります(図を参照)。つまり、座布団の側地を縫い合わせている部分を見たときに、側地が覆いかぶさる方が表側となります。
ところが、座布団や和布団は、「表は体の触れない側」となっています。つまり、座布団の場合は、裏側を上にして座ります。
前後の向き
つづいて、座布団の向きは、どうなっているのでしょうか。これも、縫い目を見ると、簡単に解ります。
座布団は、長方形の布地を半分に折って、ほぼ正方形に形作ります。このときに、3方向を縫い合わせるわけですが、「縫い合わせていない、わさの部分が前側」です。
旅先の旅館で・・・
著者が旅行したときのことです。某旅館に到着し、部屋へ案内されました。旅館では、部屋の中央のテーブルに座り、緑茶を飲みながら茶菓子を食べるのが一連の流れになっています。このときに、テーブルの周りに敷かれた座布団を見て、がっかりしたことがありました。持て成しが良く行き届いた旅館でも、座布団の向きが乱雑になっていたからです。
きちっとした旅館で働く人は、客の持て成しを勉強するときに、布団や座布団の正しい向きを知る必要があると思います。
座布団の表裏や向きについては、座布団を販売している布団屋さんでも、知っている所は少ないと思います。「布団職人の腕は、座布団で決まる」と言われています。布団屋さんで、座布団の表裏や向きを訪ねると、その布団屋さんの良し悪しが、判断できるのではないでしょうか?。
布団屋さん、怖いですねぇ~^^;